CRETのコラム/レポート Activities

CRETから、最新の教育・テストに関する世界の動向などをお届けします。

平成31年度文部科学省委託事業『新時代の教育のための国際協働プログラム』の報告書を公開しました

特定非営利活動法人教育テスト研究センター 研究員 来住 美里

 

「〇〇力が必要だ」「〇〇を学校で教えるべきである」...こうした提言は、教育が問題となるたび、そして教育改革のたびに叫ばれてきました。事実、世の中の変化が早まり不確実性が増す社会において、身に着けるべき力、学ぶべき事項は高速に変化し高度化しています。


こうした時代に対応すべく、様々な方々の努力の積み重ねにより、「どのような力を身に付けるべきか」「何を学ぶべきか?」「どのように学ぶべきか?」といった項目についてはかなりの整理がなされてきました。その結果として、「21世紀型スキル」「資質・能力」といった身につけるべきスキルや力の共通言語化、STEAM・PBLといった学習事項・学習方法の共通言語化がなされ、これらが盛り込まれた平成29・30年の学習指導要領改訂を経て私たちは「どの方向に向かっていけば良いのか?」に対する羅針盤を得つつあると言えます。


一方で、示された方向に「どう方向を変え、進んでいけば良いのか?」についてはまだ答えが見えてきていないのが現状ではないでしょうか。実際、現場からは「教員の負担は何とかならないか」「一気には変えられない」といった改革を進めていく上での叫びにも似た悩みが聞こえてきます。


こうした教育改革を取り巻く動きを船舶の航海になぞらえてみると、今回のテーマとして取り上げるカリキュラム・マネジメントの重要性が浮かび上がってきます。


荒波の中、羅針盤を見ると今すぐ目指すべき方向に向けて面舵一杯切らないといけないような気がする(待ったなしと言われる教育改革)。しかし、そうすると船が転覆してしまうかもしれない(急激な方向転換による混乱)、燃料は足りているのか(ICTを始めとしたツールの整備)、船員は疲弊していないか(教員の不足、過労)、乗客の船酔いは大丈夫か(生徒・保護者の心配)...


航海において方向性を示す羅針盤、優秀な船員の存在は不可欠ですが、同時に危険の少ない航路や、諸条件が考慮された適切な航海ルートの設定も不可欠です。教育改革に置き換えてみれば、学習指導要領に示されている羅針盤、学校の先生方という世界的に見ても優秀な船員の方々の重要性は認知度が高まっている一方、改革の進め方という航路、各学校の実情に応じた変化の方法という航海ルートについてはまだまだ議論が深まっていないのではないでしょうか。


こうした問題意識のもと、本事業では「カリキュラム・マネジメント」及びそれを支える「環境」に重点を置くことにしました。カリキュラム・マネジメントは、「学習指導要領等を受け止めつつ、子供たちの姿や地域の実情等を踏まえて、 各学校が設定する学校教育目標を実現するために、学習指導要領等に基づき教育課程を編成し、それを実施・評価し改善していくこと」(文部科学省 2016)とされており、航海で言えば、まさに諸条件を考えながら航海ルートを決めていく営みと言うことができます(カリキュラム・マネジメントの具体的な進め方などは田村(2019)に分かりやすく書かれています)。本事業を通じて、各学校がどのように改革を進めていけば良いのか、またそれにはどのような環境整備が必要なのか?を探る手がかりを得られたらと考えています。


詳しくは以下の報告書をご覧ください。


平成31年度 文部科学省委託事業「新時代の教育のための国際協働プログラム」成果報告書平成31年度 文部科学省委託事業
「新時代の教育のための国際協働プログラム」
成果報告書
pdf PDF 13,697KB












来住 美里 -Misato Kishi-

CRET研究員

趣味:歌、旅行
研究テーマ:PBL、STEM、カリキュラムマネジメントにおけるアセスメント活用

コラム/レポート

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2016-04-07

CRET/BERDシンポジウム2016

新井 健一

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CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







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コミュニケーション能力、チームワーク能力、ソーシャルスキルなどを測定するテスト方法の研究開発を行う。

相川 充

-Atsushi Aikawa-
筑波大学 人間系
博士(心理学)

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コンピューターベースのテストの基盤研究や、メディアと認知に関わる基礎研究、およびそれらの知見を活かした応用研究および実践研究を行う。

赤堀 侃司

-Kanji Akahori-
東京工業大学 名誉教授

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