CRETの研究発表論文 Dissertation

CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。

31st International Congress of Psychology(日本心理学会第80回大会同時開催)発表報告
The Monetary Value from Regulatory Fit: Focus on Advertising Conditions

2016年7月24日(日)から29日(金)にかけて、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜(横浜国際平和会議場)にて開催された31st International Congress of Psychologyに参加し、発表を行いました。7月下旬の開催という夏真っ盛りの時期でしたが、開催期間中は不思議とそこまで気温も上がらず会場内の空調もよく効いておりましたので、比較的過ごしやすい環境で発表を行うことができました。

 

今回は日本での開催ではありましたが国際学会でしたので、多くの国々からたくさんの研究者が会場に足を運んでいました。パシフィコ横浜は相当の広さを持つ会議場でしたが、あまりの人の多さに会場が狭く感じるほどでした。私はこれまで日本の学会にしか参加したことがありませんでしたので、実際に様々な国籍を持つ人々が心理学という共通の学問を通じて文化を超えた交流を行っている光景を目の当たりにして、一種の感動のような思いを強く抱きました。また、日本の学会よりも開催期間が長く、1日に行われるシンポジウムや発表の数も格段に多かったため、通常参加する学会で得られるものよりも多くの研究、情報に触れることができました。学会ではほとんどの発表が英語で行われていたため、日本語の発表を聞くよりは内容の理解に資源を費やしましたが、それでも国際学会だからこそ得られる文化比較の知見、海外における最新の知見に触れることで非常に大きな刺激を受けました。

 

さて今回、私は外山研究員・三和研究員・湯研究員・相川理事と連名で「The Monetary Value from Regulatory Fit: Focus on Advertising Conditions」というタイトルでポスター発表を行いました。今回は研究責任者として、私が主に発表を行いました。今回発表しました内容は去年度の最終報告会で結果をお示ししたものになります。概略的に説明しますと、制御適合が生じた際に対象への価値が高まるというものです。制御焦点理論では、人間のモチベーションには個人差が存在しており、それぞれの個人差に合った方法が存在するとされています。さらに制御焦点理論が発展した制御適合理論ではそれぞれのモチベーションに沿った方法を用いた場合に制御適合が生じ、多くのポジティブな結果につながるとされています。そこで本研究では、ポジティブな結果として価値に着目し、制御適合と情報提示との関連について検討しました。ここでいう対象とは特定のものに限らず、あらゆるものに適用することが可能です。そのため学習の方法や教材、学習に使用するデバイスへの価値をどのように形作るかという問題にも応用ができますので、「コンピュータ画面上での問題解決を動機づける方法について」という相川研外山班の研究テーマの根幹を支える研究であると考えられます。

 

相川研外山班の研究発表は去年度の2回に引き続き3度目でしたが、国際学会ということもあってか多くの研究者の方にお越しいただき、分野・文化に捉われない広い観点から色々な議論を進めることができました。また、我々の他にも制御焦点、制御適合の研究を発表していた方が多くいらっしゃっており、我々が取り組んでいる研究領域は国際的にも多くの関心を集めている分野であるということを改めて認識しました。将来的には、各国で制御焦点、制御適合の研究に取り組んでいる他の研究者の方々との意見交換、ディスカッションを積極的に行い、最新の知見を踏まえた上で研究の質をより一層高めていきたいと考えております。

 

The Monetary Value from Regulatory Fit: Focus on Advertising Conditions

(長峯 聖人・外山 美樹・湯 立・三和 秀平・相川 充)

 

(CRET連携研究員 長峯 聖人)


長峯 聖人 -Masato Nagamine-

CRET連携研究員 筑波大学人間総合科学研究科博士前期課程

趣味:散歩(天気が良い日)、ボードゲーム(主にドイツ製)

研究テーマ:対人関係、感情的動機づけ

研究発表論文

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CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







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コミュニケーション能力、チームワーク能力、ソーシャルスキルなどを測定するテスト方法の研究開発を行う。

相川 充

-Atsushi Aikawa-
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博士(心理学)

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赤堀 侃司

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