CRETの研究発表論文 Dissertation

CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。

The 15th European Congress of Psychology 発表報告
~Negative relationship between shyness and life satisfaction: Moderating role by generation~
(シャイネスと人生満足感の負の相関に関して―世代の持つ調整効果―)

オランダのアムステルダムにて、2017年7月11日から14日にかけて開催されたThe 15th European Congress of Psychologyに参加しました。
 
私事ではありますが、ヨーロッパに降り立って滞在するのは今回が初めてでした。町中で私が話しかけた人たちはほぼ全員英語を問題なく使えており、特に大きな問題もなく滞在先に到着することができました。ただし、日本人の感覚からすると珍しいことかもしれませんが、電車が到着する時に数分程度の遅れであれば、それを知らせるアナウンスは特に流れることがなく、たまに便そのものがキャンセルになるケースもありますし、目の前で急に電光掲示板に“cancelled”という表示が出てきたのはとても新鮮でした。
それから、オランダに到着してすぐに感じたのは、オランダ人はみな背が高いです。実際にそういうデータもあるようで、中肉中背の私が背の小さい人のように、まわりには映っていたことと思います。これはぜひとも、みなさんにも行って体験してみてほしいです。
 
さて、私たちの研究グループは13日の11:15から12:45まで「シャイネスと人生満足感の負の相関に関して―世代の持つ調整効果―」という内容で口頭発表をしました。
 
発表内容は発表タイトルの通りで、シャイネスと人生満足感の間に見られる負の相関に関して、世代が調整変数として機能する可能性を探ったものです。先行研究で一貫して、シャイネス、つまり恥ずかしがり屋の度合いが低いほど、人生に満足している度合いが少なくなるという傾向が、多くの文化で観測されています。その関係を媒介する変数、つまり二つの変数の間に介在して二者の関係を説明する変数に関しては複数の研究で明らかになっていますが、それを調整する変数、つまり二つの変数の関係がどのような状況下で異なってくるかは特に検討されていません。そこで、今回の我々の研究では、そのような調整変数としてデモグラフィック変数の1つである「世代」に着目しました。オンラインでの大規模な調査により日本全国からデータを集め、それを分析した結果、興味深い傾向が観察されました。具体的には、20代から60代までは一貫して先行研究と同様に、シャイネスと人生満足感との間に負の関係が観測されたものの、10代においてはそのような傾向が観測されなかったのです。10代というのは社会に出る前の段階で、多様な人々と交流する機会が限られているために、シャイネスが他の世代のようには問題とならないのかもしれません。
発表後には、分析に関して助言をいただき、多くの聴衆から意見をいただくことの重要性を改めて痛感しました。
 
今回は、国際会議で初めて座長を務めました。発表者のみなさんは非常に分かりやすく発表をしてくださり、セッションに与えられた90分という時間はあっという間に過ぎてしまいました。トルコやガーナから参加した研究者の発表も真剣に聴くことができ、自分自身の知見を広げることができたと思います。また、一つの発表の中で、ある日本人の提唱した概念や関連論文が引用されており、同じ日本人として誇りに感じるとともに、自分自身も英語で論文を発表して世界中から着目されたいと強く感じました。
 
国際学会は、日本の学会とは異なる雰囲気が味わえるので、また積極的に参加したいと思います。
 
アムステルダムは最高気温が摂氏20度程度なので、日本の暑すぎる気温から避暑することができました。(このレポートを書いている時に、北海道の釧路で気温が35度に達したというニュースを知り、驚きました)
 
Negative relationship between shyness and life satisfaction: Moderating role by generation
(澤海崇文・稲垣勉・相川充)
 
(CRET連携研究員 澤海 崇文)

澤海 崇文 -Takafumi Sawaumi-

CRET連携研究員、流通経済大学 社会学部 助教

趣味: テニスやヨガなどで定期的に体を動かすようにしています。語学学習にも励み、海外旅行も人生の楽しみの一つです。

研究テーマ:対人コミュニケーションやパーソナリティに興味があり、それらの比較文化研究が専門です。

研究発表論文

2017-07-31

教育テスト研究センター年報 第2号 2017年7月

相川 充

赤堀 侃司

加藤 由樹

加藤 尚吾

竹内 俊彦

舘 秀典

稲垣(藤井) 勉

澤海 崇文

北澤 武

若山 昇

宇宿 公紀

安西 弥生

外山 美樹

小林 輝美

湯 立

長峯 聖人

三和 秀平

酒井 智弘

林 楚悠然

黒住 嶺

CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







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コミュニケーション能力、チームワーク能力、ソーシャルスキルなどを測定するテスト方法の研究開発を行う。

相川 充

-Atsushi Aikawa-
筑波大学 人間系
博士(心理学)

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コンピューターベースのテストの基盤研究や、メディアと認知に関わる基礎研究、およびそれらの知見を活かした応用研究および実践研究を行う。

赤堀 侃司

-Kanji Akahori-
東京工業大学 名誉教授

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