CRETの研究発表論文 Dissertation

CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。

日本心理学会第81回大会発表(シンポジウム)報告
「わが国における制御適合に関する研究~個人に合った動機づけ,パフォーマンス,価値の高め方」

 2017920日(水)から22日(金)にかけて、福岡県久留米市の久留米シティプラザにて開催された日本心理学会第81回大会でCRETでの研究活動に関するシンポジウムを行いました。司会は相川理事が務め、外山研究員、三和研究員、湯研究員、そして長峯の4名が話題提供者として発表を行いました。

 

 開催期間中は全体的に曇り空でしたが、雨に降られることもなく、気温も程よかったので、過ごしやすい気候でした。今回の日心学会は去年が国際学会との同時開催だった影響か非常に多くの人が参加しており、歴代最高人数に迫る勢いだったと久留米大学の先生からお聞きしました。そのため会場内は活気にあふれておりましたが、会場によっては元々狭いこともあってか、聴衆が入りきらないという事態になったところもあるようです。

 

 さて、今回は冒頭で触れましたように、相川理事・外山研究員・三和研究員・湯研究員・長峯で「わが国における制御適合に関する研究~個人に合った動機づけ、パフォーマンス、価値の高め方」というシンポジウムを開催しました。指定討論者は、以前に制御焦点の研究をなさっており、現在は教育現場への実践応用的な研究に取り組んでいらっしゃる関西福祉科学大学の竹橋洋毅先生が引き受けてくださいました。内容としては、まず相川理事がCRETという組織の概要と活動内容について説明し、その後で他の4名が話題提供を行いました。外山研究員は、制御焦点ならびに制御適合の概念的な説明と、制御適合がパフォーマンスに及ぼす影響について、三和研究員は小学生において制御適合がパフォーマンスに及ぼす影響と、小・中学生の制御焦点を測定する尺度の作成について、湯研究員は制御焦点とカテゴリー制約の組み合わせが創造的パフォーマンスに及ぼす影響について、そして、長峯は制御焦点と情報提示の組み合わせが価値に及ぼす影響について発表を行いました。

 

 竹橋先生の指定討論では、主に私たちの研究結果をどのように教育現場へ活かすかという観点からご指摘をしてくださいました。具体的には、長所を伸ばすだけではなく苦手を克服するためにはどうすれば良いか、また場面に応じて異なった制御焦点を活性化するためにはどのような工夫が必要なのかという点について質問してくださいました。これらの点は相川研外山班が研究を行っていくうえで常々考えさせられるものであり、シンポジウムという場で改めて議論できたことは大きな収穫となりました。さらに、竹橋先生は個々の研究についてもコメントをくださり、新たな研究を行っていくうえで有益な示唆が得られました。

 

 シンポジウムの時間は1日目の最初のセッション(9:2011:00)という基本的には聴衆があまり集まらない時間帯でしたが、本シンポジウムの内容には多くの方が興味を持ってくださったようで、満席という様相でした。慶応義塾大学の鹿毛先生や京都大学の楠見先生など著名な先生を初め様々な研究者が参加してくださいましたが、企業の方々も数多く見受けられ、アカデミックに限らず幅広い分野の方々から興味を持っていただいていることがうかがえました。そのためか、フロアとの質疑応答では多くの質問が上がり、シンポジウムが終わった後もたくさんの方から質問をいただきました。こうしたことから、外山班が行っている研究に多くの関心が集まっていることを改めて実感することができました。本シンポジウムを通して、CRETという組織をより強く認識してもらうことができたと考えております。

 

 今回のシンポジウムでは、竹橋先生やフロアの方からのご質問やご指摘から様々な課題や展望がみえてきましたので、今後はそれらを参考とし、よりよい成果が出せるよう質の高い研究を行っていきたい所存です。 

 

「わが国における制御適合に関する研究~個人に合った動機づけ,パフォーマンス,価値の高め方」

(司会:相川 充、話題提供者:外山 美樹、三和 秀平、湯 立、長峯 聖人)

 

 

CRET連携研究員 長峯 聖人)


相川 充 -Atsushi Aikawa-

筑波大学 人間系 教授 博士(心理学)

宮崎大学助教授、東京学芸大学教授を経て現職。日本教育心理学会理事、日本社会心理学会常任理事および同学会発行「社会心理学研究」編集委員。

◆著書:『新版 人づきあいの技術:ソーシャルスキルの心理学』(サイエンス社2009年)、『展望 現代の社会心理学2 コミュニケーションと対人関係』(誠信書房 2010年)、『イラスト版 子どものソーシャルスキル:友だち関係に勇気と自信がつく42のメソッド実践』(合同出版 2011年)、『人間関係を支える心理学:心の理解と援助』(北大路書房2013年)など。

外山 美樹 -Miki Toyama-

CRET連携研究員 筑波大学 人間系 准教授

趣味: 育児、旅行(温泉めぐり)

研究テーマ: 自己認知が動機づけやパフォーマンス、精神的健康にどのように影響をするのかを研究しています。
http://www.u.tsukuba.ac.jp/~toyama.miki.ga/index.html

湯 立 -Li Tang-

CRET連携研究員 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 博士後期課程

趣味: 旅行、読書

学習の動機づけや自己調整に興味を持っています。特に興味の発達について研究を行っています。

長峯 聖人 -Masato Nagamine-

CRET連携研究員 筑波大学人間総合科学研究科博士前期課程

趣味:散歩(天気が良い日)、ボードゲーム(主にドイツ製)

研究テーマ:対人関係、感情的動機づけ

三和 秀平 -Shuhei Miwa-

CRET連携研究員 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 博士後期課程

趣味:バスケットボール、ゴルフ、散歩

研究テーマ:動機づけ、特に教師の動機づけに関して研究しています。

研究発表論文

<< | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | >>

CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







>> 研究室の
詳細はこちら

コミュニケーション能力、チームワーク能力、ソーシャルスキルなどを測定するテスト方法の研究開発を行う。

相川 充

-Atsushi Aikawa-
筑波大学 人間系
博士(心理学)

>> 研究室の
詳細はこちら

コンピューターベースのテストの基盤研究や、メディアと認知に関わる基礎研究、およびそれらの知見を活かした応用研究および実践研究を行う。

赤堀 侃司

-Kanji Akahori-
東京工業大学 名誉教授

>> 研究室の
詳細はこちら