CRETの研究発表論文 Dissertation

CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。

日本教育工学会研究会 発表報告
~大学生を対象とした正規表現の試験におけるCBTと紙の比較~

 正規表現に関する試験を、CBTと紙で比較する実験を、大学生を対象に行い、北海道教育大学旭川校で開催された、日本教育工学会 研究会で口頭発表しました。

 本研究の目的は、コンピュータを用いたテスト(Computer Based Testing 以下、CBT)と紙のテストを比較することです。
 正規表現のような学習分野では、CBTであれば、回答者は自分の回答をシミュレーションできます。 そのためCBTでは、下記の予想を立てました。 

 [1] 紙のテストにくらべて成績が非常に良くなる
 [2] 回答者が成績を正確に予想できる
 [3] 解答欄を空白にする率が上昇する
 [4] 回答者の試験後の印象が良くなる

 この仮説を検証するために、さまざまな大学の大学1~4年生の40名に1時間の正規表現の授業を行いました。その直後に20名ずつの2クラスに分け、同じ12問の問題からなる試験を、一方のクラスにはCBT、一方のクラスには紙のテストで行いました。また、各問題に対する自信度や、受験者の属性に関するアンケートにも、試験前と試験後に回答させました。

 実験の結果、12点満点のテストで、CBTのテスト群(5.85点)は紙群(5.05点)よりもすこし成績が高い程度で、有意な差はありませんでした。また、自分の予想点と実際の得点差の平均値についても、CBTのテスト群(1.50点)と紙群(1.80点)の間に大きな差はありませんでした。 しかし、無答率においては、CBTのテスト群(4.58個)は紙群(0.08個)と非常に大きな差が見られました。
 つまり、正規表現に関するCBTのテストでは、受験者は「解けるまで問題にチャレンジし、自信があったときだけ回答する」が、完全を期するあまり最初のほうの問題に時間をかけてしまい、すべての解答欄を埋める時間がなくなってしまうため、成績的には紙群と大差なくなる、という傾向がありました。

 質疑では「CBTと紙の比較」というより「シミュレーション可能なテスト」に焦点を当ててはどうか、という意見が出されました。 
(発表内容詳細については、発表論文PDFをご参照ください。)

pdf 発表論文PDF(355KB)

(CRET連携研究員 竹内 俊彦)

 


竹内 俊彦 -Toshihiko Takeuchi-

CRET連携研究員、駿河台大学 メディア情報学部 准教授

趣味: マンガ、読書、クイズ作成

研究テーマ: マルチメディアを利用したテストや教材の開発

研究発表論文

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