CRETの研究発表論文 Dissertation

CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。

日本社会心理学会第50回大会・日本グループ・ダイナミックス学会
第56回大会合同大会 発表報告
~チームワークという概念:チームワーク力測定にむけて~

 日本オリジナルの、チームワーク力を測定する尺度の開発について、日本社会心理学会第50回大会・日本グループ・ダイナミックス学会第56回大会合同大会にて口頭発表しました。

 諸外国では、個人が持つチームワーク力を測定する尺度がいくつか開発されていますが、日本ではオリジナルの定番的な尺度はまだ無いと言えるでしょう。しかし、以下の3つの理由から、国内で使用するチームワーク尺度を開発するのに、既存の諸外国の研究を翻訳するだけでは十分ではありません。

  (1)チームワークの概念に、文化差がある可能性がある。
  (2)チームの目的や活動内容、構成メンバーなどが違えば、同じ人でも発揮できるチームワークの質や量が異なるはずである。
  (3)チームワークは複雑な現象であり、諸外国でも7種類前後の様々な下位尺度を組み合わせて測定することが通例である。

この因子の妥当な組み合わせ方は、チームの目標や活動内容、成員、文化などによって異なるのではないでしょうか。

 そこで、今回は「日本人大学生や日米の社会人は、個人やチームについて、チームワークが良い、悪い、という場合に、具体的には何を意味しているのか?」という意味内容(概念の内包)にさかのぼって調べることとしました(『内包調査』)。そしてその結果や既存の関連尺度にもとづき、チームワークを妥当に測定すると思われる(表面的な妥当性が高い)尺度項目を30選び出し、日本語と英語の両バージョンを作り、各項目が「どの程度うまく個人のチームワーク力の程度を測りえていると思うか」について、日米の社会人対象に調査しました(『表面的妥当性調査』)。

 内包調査の結果、日本人大学生では「協調性、共通目標」などが多いのに対し日本人社会人では「楽しい、傾聴、活気、オープン、包容、笑い、任せる、高い」などの明るく楽しく仕事ができるイメージであり、アメリカでは、「コミュニケーション、知識、共有、リーダー、意思決定」など、課題遂行的傾向が見られました。ここから得られた知見から、教育テストの問題開発研究部門で既存尺度から選んだ項目から代表的なものを選び、新たに作成した項目とあわせて日米で表面的妥当性を調べ性差や日米差を検討しました。

 質疑では、今後の展開や、内包調査で出なかった「厳しさ、罰、規範遵守」なども重要ではないかなど活発な意見が出されました。

  

(発表内容詳細については下記「日本社会心理学会発表論文詳細ページ」をご参照ください。)

日本社会心理学会発表論文詳細ページ

 

(CRET研究員 杉森 伸吉)


その他研究員 -Other Researcher-

研究発表論文

CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







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コミュニケーション能力、チームワーク能力、ソーシャルスキルなどを測定するテスト方法の研究開発を行う。

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