CRETの研究発表論文 Dissertation

CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。

国際心理学会 発表報告
~A Negative Relation Between Shyness and Self-esteem at an Implicit Level Investigated With an Implicit Association Test(潜在的シャイネスと潜在的自尊心の関連)~

南アフリカ共和国のケープタウンにて、2012年7月22日から27日にかけて開催されたThe 30th International Congress of Psychologyに、連携研究員の藤井研究員と参加しました。

 

南アフリカへはドバイ経由で向かったのですが、ほぼ丸一日を費やす長距離の移動は初めてで、ケープタウンに到着した時にはすでに疲労困憊といった状態でした。しかし現地に到着すると、空港やホテルで陽気な地元の人たちが出迎えてくれ、既にへとへとであった我々を奮い立たせてくれました。7月の南アフリカはとても涼しく、夜は上着が手放せないくらいの気候でしたが、とてもさわやかで、思わず深呼吸したくなるような新鮮な空気でした。

ケープタウンでの食事は日本人の口に合うものばかりで、魚介類が特に美味であり、日本では見たこともないような種類の大きな魚(我々は”ドラゴン”と勝手に命名していました)が大きい皿に盛りつけられて出されるなど、非常にダイナミックな食事を体験することもできました。また、南アフリカはワインも堪能することができます。ケープタウンから50km東に位置するステレンボッシュという町は南アフリカのワインの産地として有名で、そこで作られたワインは、ワインの味をあまり知らない私にとってもおいしいと感じることができました。

 

さて、私と藤井研究員はそれぞれ、CRETから補助を受けて実施した2つの研究(潜在的シャイネスと潜在的自尊心の関連、潜在的シャイネス・顕在的シャイネスと自己愛の関連)を発表しました。私は口頭発表を選択し、事前に何度か発表練習を行ったおかげで、当日はスムーズに発表することができました。

具体的な発表内容として、潜在的な概念を測定する潜在連合テストと呼ばれる手法を用い、我々が意識できないレベルにおいてシャイネスと自尊心を測定し、その両者の関連を検討しました。相関係数と呼ばれる単純な関連ではなく、構造方程式モデルと呼ばれる進んだ分析手法を用いて、より正確に潜在的シャイネスと潜在的自尊心の関連を分析したところ、両者の間には強い負の関係性が見られました。これは一般的なアンケート形式により行われる自己報告の尺度で見られる関係性と一致しており、潜在的な測定法の妥当性を示しているものと考えられます。ソウル大学の大学院生から質問があり、発表後には私と藤井研究員を含め3人で有意義な議論を交わすことができ、新たな見識や可能性を見出すこともできました。このように国際学会に出席して海外の研究者と研究内容をやりとりする重要性を改めて認識しました。今回の潜在的な過程および測定法を扱った研究は、1990年代に発表されて以来まだまだ検討する余地の残されている発展途上の研究分野であり、改めて我々の研究分野の将来性を感じることができました。

 

国際心理学会は非常に大規模な学会であり、自分の専門分野だけでなく幅広い研究分野を勉強することのできる貴重な機会と言えます。また、学会は出会いの場であり、海外の研究者と知り合う絶好のチャンスともいえます。私自身、去年の別の学会で知り合った海外の著名な研究者と再会することができ、懐かしい気分に浸っていました。

以上のように、国際学会は刺激をもらえる場であり、機会があれば再び参加したいと思っています。

※共同研究者の相川理事、藤井研究員にお礼申し上げます。

 

pdf 当日発表PDF(1,855KB)

A Negative Relation Between Shyness and Self-esteem at an Implicit Level Investigated

With an Implicit Association Test

(澤海崇文・藤井勉・相川充)

 

(CRET連携研究員 澤海 崇文)


澤海 崇文 -Takafumi Sawaumi-

CRET連携研究員、流通経済大学 社会学部 助教

趣味: テニスやヨガなどで定期的に体を動かすようにしています。語学学習にも励み、海外旅行も人生の楽しみの一つです。

研究テーマ:対人コミュニケーションやパーソナリティに興味があり、それらの比較文化研究が専門です。

研究発表論文

2019-07-19

教育テスト研究センター年報 第4号 2019年7月

相川 充

赤堀 侃司

加藤 由樹

加藤 尚吾

竹内 俊彦

稲垣(藤井) 勉

澤海 崇文

北澤 武

若山 昇

宇宿 公紀

安西 弥生

外山 美樹

小林 輝美

湯 立

長峯 聖人

三和 秀平

酒井 智弘

肖 雨知

海沼 亮

能渡 真澄

<< | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | >>

CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







>> 研究室の
詳細はこちら

コミュニケーション能力、チームワーク能力、ソーシャルスキルなどを測定するテスト方法の研究開発を行う。

相川 充

-Atsushi Aikawa-
筑波大学 人間系
博士(心理学)

>> 研究室の
詳細はこちら

コンピューターベースのテストの基盤研究や、メディアと認知に関わる基礎研究、およびそれらの知見を活かした応用研究および実践研究を行う。

赤堀 侃司

-Kanji Akahori-
東京工業大学 名誉教授

>> 研究室の
詳細はこちら