CRETの研究発表論文 Dissertation

CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。

日本パーソナリティ心理学会第24回大会 発表報告
―制御適合はパフォーマンスを高めるのか?―

2015年8月21日(金)・22日(土)にかけて、北海道札幌市の北海道教育大学にて開催された日本パーソナリティ心理学会第24回大会に参加し、発表を行いました。8月の北海道は関東の蒸し暑さとは縁遠く、涼しく過ごしやすい気候でした。

 

私が日本パーソナリティ心理学会に参加したのは、2007年に開催された日本パーソナリティ心理学会第16回大会以来で、年月の早さに驚いています。北海道教育大学は、札幌市の外れにあるのですが、キャンパスがとてもきれいな大学でした。聞くところによりますと、敷地内全面禁煙であるとのことです。スタッフの方々の対応はとても丁寧で、入念に準備されていたことが窺えました。日本パーソナリティ心理学会は1000名近い会員数なので、準備も大変だったものと感じます。

 

今回、私は三和研究員・湯研究員・長峯研究員・相川理事と連名で「制御適合はパフォーマンスを高めるのか?」というタイトルでポスター発表を行いました。相川研外山班では、「コンピュータ画面上での問題解決を動機づける方法について」を大きな研究テーマとして掲げていますが、その第1弾として制御焦点の研究を行っています。というのは、コンピュータ画面上で学習を進める大きなメリットの1つに、学習者に合わせた教授法等を提示できる点が挙げられるからです。

 

近年、動機づけ研究の分野においては、制御焦点、制御適合について精力的に研究が行われています。そこでは、個人(あるいは状況)と方略が合っていると("制御適合"という)、現在の活動(例えば"学習")に対して"正しい"と感じられ、活動そのものの価値が高まり、活動へ積極的に従事し、高いパフォーマンスを示すことが明らかになっています。

 

本研究では、この制御焦点理論および制御適合理論を援用し、個人(促進焦点型なのか防止焦点型なのか)によってパフォーマンスを高める方略が違うことから、個人に合ったアドバイスの提示が重要であるということを問題提起として検討しました。

 

相川研外山班の研究発表は初めての試みでしたが、途切れることなく多くの研究者の方にお越しいただき、有意義な議論を進めることができました。制御適合の研究は社会心理学やパーソナリティ心理学など多様な領域で注目されているテーマだと改めて感じました。そして、別解釈の可能性や課題もご指摘いただき、私自身、とても勉強になった発表でした。本発表では、個人と方略が合っていると制御適合が起こり、活動そのものの価値が高まり、活動へ積極的に従事し、高いパフォーマンスを示すという仮説を支持する結果は得られませんでしたが、残された課題も多く、今後も研究を続けていきたいと思います。

 

来年の日本パーソナリティ心理学会は、関西大学で開催される予定です。この学会は知り合いも多く、かつ関心の高い学会のひとつですので、継続して参加したいと考えています。

 

 

 制御適合はパフォーマンスを高めるのか?

(外山 美樹・三和 秀平・湯 立・長峯 聖人・相川 充)

 

(CRET連携研究員 外山 美樹)


外山 美樹 -Miki Toyama-

CRET連携研究員 筑波大学 人間系 准教授

趣味: 育児、旅行(温泉めぐり)

研究テーマ: 自己認知が動機づけやパフォーマンス、精神的健康にどのように影響をするのかを研究しています。
http://www.u.tsukuba.ac.jp/~toyama.miki.ga/index.html

研究発表論文

2017-07-31

教育テスト研究センター年報 第2号 2017年7月

相川 充

赤堀 侃司

加藤 由樹

加藤 尚吾

竹内 俊彦

舘 秀典

稲垣(藤井) 勉

澤海 崇文

北澤 武

若山 昇

宇宿 公紀

安西 弥生

外山 美樹

小林 輝美

湯 立

長峯 聖人

三和 秀平

酒井 智弘

林 楚悠然

黒住 嶺

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CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







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コミュニケーション能力、チームワーク能力、ソーシャルスキルなどを測定するテスト方法の研究開発を行う。

相川 充

-Atsushi Aikawa-
筑波大学 人間系
博士(心理学)

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コンピューターベースのテストの基盤研究や、メディアと認知に関わる基礎研究、およびそれらの知見を活かした応用研究および実践研究を行う。

赤堀 侃司

-Kanji Akahori-
東京工業大学 名誉教授

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