CRETの研究発表論文 Dissertation

CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。

国際心理学会議 発表報告
~Validity of the Single-Target Implicit Association Test (ST-IAT) for measuring shyness(シャイネスを測定するシングルターゲットの潜在連合テスト (ST-IAT) の妥当性の検討)~

日本の神奈川県横浜市にて、2016年7月24日から7月29日にかけて開催されたThe 31st International Congress of Psychologyに参加しました。

 

会場のパシフィコ横浜は以前に別のイベントで行ったこともあり、スムーズに到着することができました。受付を済ませ、会場内をうろうろしていると知り合いの研究者にばったり遭遇することもあり、何よりも驚いたのは、私がある大学で担当している講義の受講生に鉢合わせたことです。その人は学部の2年生なのですが、アルバイトとして本会議の運営をサポートしているとのことでした。学術的な学会の開催地でこのようなかたちで担当講義の受講生に出会うという体験はとても新鮮でした。

 

さて、私は「Validity of the Single-Target Implicit Association Test (ST-IAT) for measuring shyness」というタイトルで発表しました。ポスター発表を選択し、7月26日の朝8時30分からのセッションでした。午前の比較的早い時間帯だったためか、予想していたよりもあまり聴衆は来なかった印象です。まわりを見渡してみると空のボードが目立ち、発表取りやめのケースが多かったのかと思われます。そのような中、中国からの研究者が非常に熱心にポスター発表を聞いてくれました。本研究は潜在連合テスト (Implicit Association Test: 以下IAT) というテストを土台として開発されたST-IATという手法を用いたのですが、その研究者は同じくIATを土台として別に開発されたBrief IATという手法を用いており、様々な意見交換を行うことができました。

 

発表内容は、シングルターゲットの潜在連合テスト (ST-IAT) を用い、無意識的なシャイネスを測定するという測定法の妥当性の検討でした。潜在連合テストというのは人が意識できない態度や自己概念を測定するテストだと言われており、伝統的には対カテゴリーのペアを2対設定します。例えば、シャイネスを測定するものであれば、”自己”および”他者”というカテゴリー対、”シャイな”および”社交的な”というカテゴリー対を用意します。しかし、研究目的によっては1つのカテゴリーが不要な場合もあります。例えば、自分のシャイネスを測定するIATであれば、”他者”というカテゴリーは特に設定する必要はないかもしれません。そこで、”他者”というカテゴリーを除いたST-IATを用いて、伝統的なIATとどのような関係を持つのか検討しました。他変数との関係という基準に基づいてデータを分析した結果、ST-IATに関する一部の結果は伝統的なIATと一致するパターンでしたが、異なる結果も観測されました。今後は、逆に”自己”カテゴリーを除いて”他者”カテゴリーを残したST-IATも合わせて検討する必要があるでしょう。

 

会場には非常に多くの国から研究者が参加しており、国際心理学会議というのは非常にスケールの大きい学会だと思いました。この学会は4年に一度開催され、次回は2020年に開催される予定です。ちょうど東京でオリンピックが開催される年で、オリンピックも今回の会議と同じように大成功を収められれば良いと個人的に思いました。

 

Validity of the Single-Target Implicit Association Test (ST-IAT) for measuring shyness

(澤海 崇文・藤井 勉・相川 充)

 

(CRET連携研究員 澤海 崇文)


澤海 崇文 -Takafumi Sawaumi-

CRET連携研究員、流通経済大学 社会学部 助教

趣味: テニスやヨガなどで定期的に体を動かすようにしています。語学学習にも励み、海外旅行も人生の楽しみの一つです。

研究テーマ:対人コミュニケーションやパーソナリティに興味があり、それらの比較文化研究が専門です。

研究発表論文

2018-07-19

教育テスト研究センター年報 第3号 2018年7月

相川 充

赤堀 侃司

加藤 由樹

加藤 尚吾

竹内 俊彦

稲垣(藤井) 勉

澤海 崇文

星 千枝

北澤 武

若山 昇

宇宿 公紀

安西 弥生

外山 美樹

小林 輝美

湯 立

長峯 聖人

三和 秀平

永田 衣代

小田 理代

後藤 義雄

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CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







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コミュニケーション能力、チームワーク能力、ソーシャルスキルなどを測定するテスト方法の研究開発を行う。

相川 充

-Atsushi Aikawa-
筑波大学 人間系
博士(心理学)

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コンピューターベースのテストの基盤研究や、メディアと認知に関わる基礎研究、およびそれらの知見を活かした応用研究および実践研究を行う。

赤堀 侃司

-Kanji Akahori-
東京工業大学 名誉教授

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