CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。
日本教育工学会 第32回全国大会 発表報告
2016年9月17日(土)に日本教育工学会 第32回全国大会で発表を行いました。
学びのイノベーション事業実証研究報告書(2014)では、小中学校のICT活用の授業場面として、一斉学習、個別学習、協働学習を挙げています。今回の研究では、一斉学習と個別学習の動画教材を用いた学習に着目しました。タブレット端末の動画とスクリーンに投影された動画を視聴させた場合とを比較し、自由記述による調査を大学生に行った実験で、宇宿(2016)は、「興味・集中力・理解力において、個別学習と一斉学習では異なる要因で意識が変容している」と報告しています。
そこで本研究では、高校生の個別学習におけるタブレット端末の動画と一斉学習における動画の視聴を想定し、タブレット端末の動画とスクリーンに投影された動画を視聴した場合の差異を検証し、比較することを目的としています。
個別学習におけるタブレット端末の動画と一斉学習における動画の視聴を想定し、高校生に意識調査を行ったところ、タブレット端末の利点について書かれた記述が一番多くみられました。その理由として「集中力が高まる」と回答した生徒が一番多くみられました。
現在、アクティブラーニンングの授業を多くの学校で取り組んでいます。今回の実験から、タブレット端末を用いて授業前に動画を視聴して予習をする反転学習を行うことも1つの授業方法として考えられます。また、スクリーンの利点について「学校で見た方が集中できそう」という回答が見られたことから、個人で視聴する動画と集団で視聴する動画の使い分けも考えていく必要があります。
また、学会において「スクリーンで視聴すると集団で見ることにより集中できそう」、「カークパトリックの4段階評価法では、レベル2(学習)までデータが取れているため、レベル3(行動)、4(業績)までの分析結果が気になる」「タブレット端末は巻き戻しや停止ができるから良い」、「タブレット端末で学習すると遊びながらみそう」等の意見をいただいたため、今後の課題としていきます。
(CRET連携研究員 宇宿 公紀)
2016-07-24
澤海 崇文
2016-07-24
長峯 聖人
2016-03-05
北澤 武