CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。
日本社会心理学会第58回大会 発表報告
~シャイネスに関する自己理論の日米比較~
広島大学にて、2017年10月28日から29日にかけて開催された日本社会心理学会第58回大会に、相川理事、澤海研究員とともに参加・発表してきました。
ちょうど台風と重なりましたが、2日目の帰り電車に乗る頃には雨風ともに止み、無事に帰って来ることができました。学会のホームページやTwitterアカウントでは、会場へのアクセス方法や昼食の配布、台風に関する情報など、参加者にとって有益な情報が多く発信されており、ありがたかったです。特に、会場となった広島大学は広島駅から電車で40分ほど行った後にバスで20分ほどの距離にあり、電車やバスの本数も東京のように多くないので、アクセスに関する情報はたいへん参考になりました。
さて、私はCRET相川研として実施した研究(シャイネスに関する自己理論の日米比較)を29日に発表しました。シャイネスに関する自己理論とは、「シャイネスとは変化させることのできるものか」という個人の信念をあらわしており「努力しだいで自身のシャイネスを変化させることができる」もしくは「シャイネスは生まれつきのものであり、変えることは難しい」といった項目にどの程度同意するかを通じて測定するものです。先行研究において、自身のシャイネスが高いと思っている人でも、シャイネスを変えられると思っている人は、変えられないと思っている人よりも、積極的に人と相互作用をしようとすることが明らかになっています。つまり、個人のシャイネスを低減させようとしたときに、シャイネスそのものを下げるようなトレーニング(ソーシャルスキル・トレーニングなどと呼ばれます)を行うことと併せて、「シャイネスという性格は、努力しだいで変えることができる」ということを学んでもらうことで、より高い効果を期待できる可能性があります。
今回の発表は、このシャイネス観について日米比較を行った内容でした。結果は、日本人よりもアメリカ人の方が、シャイネスを「変えられるもの」と捉えていました。つまり、アメリカ人は日本人よりも社会的な相互作用場面で積極的に振る舞い、結果として自身のシャイネスを低減できているのかもしれません。お越しいただいた方々からは、別の解釈可能性や、今後の研究にどのようにつなげるのか、シャイネスのみならず他のパーソナリティでも同様に自己理論は存在すると思うか、など、多様なご意見・ご質問をいただくことができました。こうした議論を通じて、今後の研究のヒントも得ることができ、充実した発表になりました。今後に活かしていこうと思います。
同じ研究チームの澤海研究員と初めて出会ったのは、8年前の社会心理学会の大会でした。そこから意気投合し、今に至るまで共同で研究を進めることができています。学会という場は、研究成果を公開するだけでなく、自分の知識をアップデートしたり、軌を一にする研究者と巡り会えたりする(かもしれない)貴重な場です。これからも継続して参加していきたいと思っています。
~シャイネスに関する自己理論の日米比較~
(稲垣 勉・澤海 崇文・相川 充)
(CRET連携研究員 稲垣 勉)
2022-08-02
加藤 由樹
加藤 尚吾
竹内 俊彦
舘 秀典
稲垣(藤井) 勉
澤海 崇文
北澤 武
若山 昇
外山 美樹
小林 輝美
湯 立
三和 秀平
海沼 亮
澄川 采加
浅山 慧
2021-07-21
赤堀 侃司
加藤 由樹
加藤 尚吾
竹内 俊彦
稲垣(藤井) 勉
澤海 崇文
北澤 武
若山 昇
宇宿 公紀
安西 弥生
外山 美樹
小林 輝美
湯 立
三和 秀平
海沼 亮
澄川 采加
浅山 慧