CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。
外国語教育メディア学会(LET)第58回(2018年度)全国大会 発表報告
「教授言語(日本語・英語)が英語教員の英語の印象に与える影響」
外国語教育メディア学会(LET)第58回(2018年度)全国大会が、8月7日(火)~9日(木)に、千里ライフサイエンスセンター(大阪府豊中市)で開催されました。全国大会のテーマは「外国語教育における4技能評価の再考」で、学習者コーパスの利用やインターネットを介した遠隔協議等、テクノロジーを使った外国語教育について実践と研究の発表がありました。私は、「教授言語(日本語・英語)が英語教員の英語の印象に与える影響」の研究発表を行いました。
この研究の背景には、 益々グローバル化する社会に対応できる人材を育成するために、大学では英語科目や専門科目を英語で授業を行う、教授言語としての英語(English as a Medium of Instruction)が急速に広まっていることがあります。また英語が世界の共通語 (English as a Lingua Franca)となっている実情があり、このようなEMIの教授方略を取ることで、学生の英語のコミュニケーションの機会を増やし、日本人学生の留学の促進、また留学生数を増やす効果も期待させています。一方で、EMIを取り入れることで学習の理解が滞る等の問題も指摘されています。そこで本研究では、英語関連科目において教授言語(英語もしくは日本語)が、その教員の英語の印象にどのような影響を与えるのか明らかにすることを目的に、実証実験を行いました。まず尺度を開発し、その後、学習者に与える教員の英語の印象を検証しました。分析の結果、英語科目の内容(英会話・英語専門科目)と教授言語(日本語・英語)により、英語の「魅力度」に差が生じる傾向があるということがわかりました。
日本人英語教員は英語が母語ではないので、英語で100%授業を行うのには、ストレスもかかります。英語教員が、教授言語を変えることで、自分の英語の印象がどのように変化するのか、「自分を映し出す鏡」つまり尺度を持ち、自分自身を理解することは授業を運営する上で大切です。本研究で開発した尺度がEMIへ更に踏み込むきっかけとなることを願っています。 また学会の参加者から、適切にコントロールされた実験環境について、お褒めのお言葉を頂戴いたしました。改めて、CRET及び赤堀研究室の皆様の様々なご支援に御礼申し上げます。
謝辞
本研究は教育テスト研究センター(CRET)にご支援をいただき、遂行いたしました。 深く御礼申し上げます。
(CRET連携研究員 安西 弥生)
2022-08-02
加藤 由樹
加藤 尚吾
竹内 俊彦
舘 秀典
稲垣(藤井) 勉
澤海 崇文
北澤 武
若山 昇
外山 美樹
小林 輝美
湯 立
長峯 聖人
三和 秀平
海沼 亮
澄川 采加
山本 美紀
浅山 慧
2021-07-21
赤堀 侃司
加藤 由樹
加藤 尚吾
竹内 俊彦
稲垣(藤井) 勉
澤海 崇文
北澤 武
若山 昇
宇宿 公紀
安西 弥生
外山 美樹
小林 輝美
湯 立
長峯 聖人
三和 秀平
海沼 亮
澄川 采加
山本 美紀
浅山 慧