CRETの研究発表論文 Dissertation

CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。

日本教育心理学会第62回総会 発表報告 
「高校生のソーシャルスキルをイラストで測るIBSSTの妥当性検証」

昨年度に引き続き,今年度も,日本教育心理学会で,澤海班での研究成果を発表しました。今年度の日本教育心理学会第62回総会は,新型コロナウイルス感染拡大のため,参集しての開催は行われず,総会発表論文集でポスター発表の論文掲載による発表となってしまいました。正直,学会に参加したという感じはなく,他の研究者からご助言やご意見をいただける機会もなく,残念に思いました。

 

澤海班では,「Illustration-Based Social Skills Test」(IBSST)というテスト開発を進めております。日本教育心理学会第62回総会では,「高校生のソーシャルスキルをイラストで測るIBSSTの妥当性検証」という題目で,IBSSTの妥当性に関する結果を発表しました。ご興味がある方は,下記のURLから総会発表論文をご覧ください。

 

「高校生のソーシャルスキルをイラストで測るIBSSTの妥当性検証」では,酒井・澤海・関森・相川(2019)が収集したIBSSTのデータを,多次元項目反応理論による探索的因子分析によって再分析し,IBSSTの因子を探索的に検討しました。加えて,新たに収集したデータからIBSSTの基準関連妥当性を検討しました。その結果,IBSSTの因子は,「自分の思いを表現するスキル」「主体的に関与するスキル」「協調して支援するスキル」「自分の気持ちを整理するスキル」の4因子で解釈できることが明らかになりました。IBSSTの基準関連妥当性は,「自分の思いを表現するスキル」「主体的に関与するスキル」「協調して支援するスキル」は,「異質拒否傾向」「被侵害・不適応」との間に負の相関を示し,「承認・満足」との間に正の相関を示しました。「自分の気持ちを整理するスキル」は「被異質視不安」との間に正の相関を示しました。

 

今後は,IBSSTに関するこれまでの研究成果をまとめて,学会誌に論文投稿したいと思います。

 

 

「高校生のソーシャルスキルをイラストで測るIBSSTの妥当性検証」

(酒井智弘, 澤海崇文, 能渡真澄, 相川充)

https://confit.atlas.jp/guide/event/edupsych2020/subject/P334/advanced

 

 

(CRET連携研究員 酒井 智弘)


酒井 智弘 -Tomohiro Sakai-

CRET連携研究員 / 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 心理学専攻 博士後期課程

趣味・特技:旅行、読書

研究テーマ:ソーシャルスキルの測定法や実践法に関心があります。現在は、感謝表出スキルについて研究しています。

研究発表論文

CRETの研究領域

テストの評価や解析についての研究を行う。海外の教育テスト研究機関との協同研究や交換プログラムなども実施。







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コミュニケーション能力、チームワーク能力、ソーシャルスキルなどを測定するテスト方法の研究開発を行う。







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コンピューターベースのテストの基盤研究や、メディアと認知に関わる基礎研究、およびそれらの知見を活かした応用研究および実践研究を行う。







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