CRETから、最新の教育・テストに関する研究発表論文をお届けします。
日本グループ・ダイナミックス学会第60回大会 発表報告
~顕在的シャイネスと潜在的シャイネスの不一致に関する検討 (2)~
2013年7月14日・15日に北海道札幌市の北星学園大学にて開催された日本グループ・ダイナミックス学会第60回大会に、連携研究員の澤海研究員と参加し、発表を行いました。
北海道では、本年9月にも日本心理学会 (国内で規模の大きい大会) が開催される予定であることや、今回の大会の日程がヨーロッパ心理学会 (13th European Congress of Psychology) の直後であったことなどから、例年より参加者が少なかったように感じます。
学会期間中は会場からの距離が近い「すすきの」に宿を取りました。昼夜を問わず活気があり、にぎやかな街並みでした。食事もおいしく、澤海研究員と一緒に北海道の「食」を堪能できたと感じます。また、湿度も低く、学会中は快適に過ごすことができました。
学会会場となった北星学園大学のスタッフの方々の対応はとてもよく、気持ちよく発表を行えました。規模に関わらず、大会の開催は準備が大変と思いますが、入念に準備されていたことがうかがえました。
今回、私は澤海研究員・相川理事と連名で「顕在的シャイネスと潜在的シャイネスの不一致に関する検討 (2)」というタイトルでポスター発表を行いました。澤海研究員のポスター発表とも隣どうしで、発表を聞きにいらしてくださった方のご意見を二人で伺うことができました。
今回の発表内容は、従来から研究を続けている「潜在連合テスト (Implicit Association Test; IAT)」を用いて測定した潜在的シャイネスおよび自己報告による顕在的シャイネスと種々の変数との関連を検討したものでした。発表タイトルの副題に(2) という番号が付いているとおり、昨年も別の変数を従属変数にした検討を行い、その続編という位置づけです。昨年は潜在的・顕在的シャイネスと自己愛との関連を検討し、本年はその他の特性 (攻撃性、孤独感、セルフ・モニタリング) との関連を検討しました。
昨年と本年の結果をまとめると、潜在的シャイネスと顕在的シャイネスが一致していない場合、自己主張性 (自己愛の下位尺度) や言語的攻撃 (攻撃性の下位尺度) の得点が低いという結果が得られました。潜在的シャイネスと顕在的シャイネスの不一致に関する研究は、まだ本邦では緒に付いたばかりで、この結果の解釈は容易ではありませんが (発表を聞きにいらしてくださった方と一緒に「なぜだろう?」と考えるような一幕もありました)、潜在・顕在の不一致が何らかの影響をもたらすことが予想されます。
ちょうどポスター会場にいらしたスタッフの院生の方が、IATを使用したご研究を計画されているそうで、発表時間前からさっそくIATの話題で盛り上がることができました。その他にも、たいへんありがたいことに人が途切れることがなく、有意義な議論を行うことができました。
毎年、学会への参加を通して新しく知り合う方が増えることや、しばらくお会いしていなかった方と話をする機会があったり、発表に多くのご意見をいただけたりすることは、継続して学会へ参加することのモチベーションにつながります。研究者として論文の執筆はとても大事なことですが、学会にも継続して参加・発表し、刺激を得ることで、様々なポジティブな効果があることを実感しました。今回の学会で得た刺激を大事にして、今後の研究活動につなげていきたいと思います。
顕在的シャイネスと潜在的シャイネスの不一致に関する検討 (2) (1.2MB)
(藤井勉・澤海崇文・相川充)
(CRET連携研究員 藤井勉)
2021-07-21
赤堀 侃司
加藤 由樹
加藤 尚吾
竹内 俊彦
稲垣(藤井) 勉
澤海 崇文
北澤 武
若山 昇
宇宿 公紀
安西 弥生
外山 美樹
小林 輝美
湯 立
長峯 聖人
三和 秀平
海沼 亮
澄川 采加
山本 美紀
浅山 慧